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富山県の注文住宅の費用相場|年収ごとの目安やエリア別の価格・特徴も解説

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富山県で注文住宅を検討する際、気になるのはやはり「どれくらい費用がかかるか」ではないでしょうか。

この記事では、最新データをもとに富山県の注文住宅相場を紹介します。土地取得費や建築費の内訳に加え、年収ごとの予算の目安、住宅ローンの返済シミュレーション、さらに県内7エリアの特徴と坪単価まで解説します。

富山県で注文住宅を建てる際の費用相場

富山県で注文住宅を計画する際、まず押さえておきたいのが「どのくらい費用が必要か」の目安です。 

「フラット35利用者調査 2024年度集計表」によれば、富山県の建設費は全国平均と大きな差がなく、全国水準とほぼ同等と見られています。

一方で、土地取得費は全国平均よりも抑えられており、広めの敷地を比較的手頃な価格で取得できる可能性があります。

ここでは、富山県における土地取得費と建築費の最新相場を詳しく見ていきましょう。

出典:住宅金融支援機構「フラット35利用者調査 2024年度集計表」(https://www.jhf.go.jp/about/research/loan/flat35/2024.html

坪単価と土地取得費の平均

富山県で注文住宅を建てる場合、多くの方がまず最初に取り組むのが「土地探し」です。

その際に押さえておきたい重要な指標が「坪単価」と「土地取得費」です。

坪単価は土地の価格を比較する際の目安となる数値で、実際に支払う総額が土地取得費にあたります。

2025年の地価調査によると、富山県内の主要7市における坪単価の平均は以下のとおりです。

市町村㎡単価(円)坪単価(万円)
富山市40,100約13.2
高岡市29,200約9.6
射水市29,700約9.8
砺波市32,700約10.8
魚津市31,900約10.5
氷見市22,200約7.3
滑川市20,600約6.8

同じ富山県内でも、立地条件によって坪単価は大きく異なり、住宅予算に与える影響も少なくありません。

一方で、富山県全体の土地取得費の平均は約710万円と、全国平均の約1,495万円に比べて半分以下の水準です。

また、敷地面積の平均は約283㎡(約85.6坪)で、全国平均の329㎡よりややコンパクトながら、十分な広さを確保しやすい傾向にあります。ゆとりある住環境を実現しやすい条件が整っているのが特徴です。

出典:富山県「令和7年地価調査の概要 参考資料(市町村別・用途別変動率一覧表等)」(https://www.pref.toyama.jp/documents/49900/02sankour7.pdf

建築費用の相場

建物本体の建築費は、土地取得費とは別に必要となる費用です。

住宅の広さやデザイン、使用する建材や性能によって金額は大きく変わります。

富山県では、冬の豪雪や年間を通した多湿な気候に対応するため、断熱性や耐雪性を高める設計が求められます。

そのため、これらの対策費用が上乗せされる傾向がある点も念頭に置いておきましょう。

以下は「フラット35利用者調査 2024年度集計表」にもとづく富山県の建築費用の平均値です。

種別平均建設費平均住宅面積坪単価土地取得費総額目安
注文住宅のみ約3,353万円約111㎡(33.5坪)約100万円約3,353万円
土地付き注文住宅約3,353万円約111㎡(33.5坪)約100万円約710万円約4,063万円

建物のみを建てる場合は、設備や仕様の自由度が高いため坪単価がやや高くなる傾向があります。

一方で、土地付き注文住宅では全体コストを抑えやすいのが特徴です。

なお、これらの金額には登記費用・住宅ローン手数料・火災保険料・外構工事費・地盤改良費などの諸経費は含まれていません。

一般的に、建築費と土地代の合計に対して10〜20%程度を諸経費として見込む必要があります。富山県の場合、この金額はおおよそ400万〜800万円が目安です。

したがって、土地付き注文住宅の総費用は、諸経費を含めて約4,400万〜4,800万円程度を想定しておくと、より現実的な資金計画を立てやすいでしょう。

富山県で注文住宅を建てる際の費用計画|予算とローン返済額の目安

全体的な相場を把握したあとは「自分たちの年収でどのくらいの家を建てられるか」を考える段階に進みましょう。

ポイントは「いくら借りられるか」ではなく「無理なく返せるか」を基準にすることです。

ここからは、世帯年収ごとの予算目安と、住宅ローンの返済額をシミュレーションする際の考え方を具体的に紹介します。

世帯年収別の予算目安

注文住宅の予算は、一般的に「世帯年収の6〜8倍」が目安とされています。

この基準をもとにすると、自分たちがどのくらいの家を建てられるかイメージしやすくなります。

ただし、あくまでこれは目安であり、実際の計画では家族構成やライフスタイル、教育費・老後資金など将来的な支出も考慮して判断することが大切です。

「フラット35利用者調査 2024年度集計表」によれば、富山県で土地付き注文住宅を建てた世帯の平均年収は629万円でした。

この金額を6倍にすると約3,774万円、8倍にすると約5,032万円となります。

先ほど紹介した富山県の土地付き注文住宅の総費用(約4,000万円)は、この範囲内に収まっており、現実的な予算設定といえるでしょう。

具体的な年収別の予算目安を表にまとめると次のようになります。

世帯年収予算目安(6〜8倍)
400万円2,400万〜3,200万円
500万円3,000万〜4,000万円
600万円3,600万〜4,800万円
700万円4,200万〜5,600万円
800万円4,800万〜6,400万円

このように、世帯年収を基準に予算の目安を出すと全体像がつかみやすくなります。

しかし、注意したいのは「借入可能額」と「無理なく返済できる額」は必ずしも同じではないという点です。

教育費や老後の生活費、予期せぬ出費なども踏まえ、余裕のある資金計画を立てることが大切です。

住宅ローン返済額の目安

住宅ローンを考えるときに大切なのは「いくら借りられるか」ではなく「いくらなら無理なく返せるか」という点です。

金融機関が定める返済比率の上限は年収の30〜35%ですが、これはあくまで借入可能額の目安であり、理想的な返済額ではありません。

無理のない返済を続けるためには、手取り収入の20〜25%以内に月々の返済額を抑えるのが理想とされています。

実際に、富山県で土地付き注文住宅を建てた方の返済負担率は22.7%で、月々の返済額は平均11.6万円となっています。

以下に、代表的な借入額ごとの返済シミュレーションをまとめました(借入額・金利1.5%・返済期間35年で試算)。

借入額月々の返済額
3,000万円約9.2万円
3,500万円約10.7万円
4,000万円約12.3万円

このように、返済比率を20〜25%程度に抑えることで、教育費や老後資金の準備、突発的な出費にも対応できる家計の余裕が生まれます。

住宅ローンは長期にわたるものだからこそ「返せる額」を基準にした計画が重要です。

富山県で人気の7エリア丨各市の特徴と坪単価

富山県内で注文住宅を建てる際、どのエリアを選ぶかは予算や生活スタイルに大きく影響します。

ここでは、富山県内で人気の高い7つの市について、それぞれの特徴と坪単価を詳しく紹介します。

富山市

富山市は、県庁所在地として約40万人が暮らす富山県の中心都市です。

2025年地価調査によると、住宅地の平均価格は1㎡あたり40,100円で、坪単価に直すと約13.2万円です。変動率は前年比プラス0.9%で、需要の高さがうかがえます。

都市づくりの基本方針として「コンパクトシティ戦略」を掲げ、公共交通を軸に利便性の高い街を目指しています。

市内電車や富山ライトレールが整備され、車がなくても生活しやすいのが特徴です。

また、大型ショッピングモールや百貨店、スーパーなど商業施設が豊富で、日常の買い物に困ることはありません。

医療機関や教育機関も充実しており、子育て世帯にとっても安心できる住環境が整っています。

出典:富山県「令和7年地価調査の概要 参考資料(市町村別・用途別変動率一覧表等)」(https://www.pref.toyama.jp/documents/49900/02sankour7.pdf

高岡市

高岡市は、人口約17万人を擁する富山県第二の都市で、歴史と文化の町として知られています。

2025年地価調査によると、住宅地の平均価格は1㎡あたり29,200円、坪単価にすると約9.6万円です。変動率は前年比マイナス1.1%で、やや下落傾向にあります。

市内は伝統工芸の銅器や漆器で有名ですが、新幹線が停車する新高岡駅もあり、首都圏へのアクセスにも恵まれています。

富山市と比べると地価はおよそ3割安く、広い土地を確保しやすい点は大きな魅力です。

さらに、商業施設や医療機関も整っているため、日常生活で不便を感じることはほとんどありません。

落ち着いた暮らしと利便性を両立できるエリアといえるでしょう。

射水市

射水市は、富山市と高岡市の中間に位置し、両市へのアクセスのよさからベッドタウンとして人気を集めています。

2025年地価調査によると、住宅地の平均価格は1㎡あたり29,700円で、坪単価は約9.8万円です。

とくに小杉駅周辺や大門地区は商業施設が充実しており、イオンモール高岡などの大型施設へも行きやすい環境です。

あいの風とやま鉄道の小杉駅は富山駅と高岡駅のちょうど中間にあり、通勤や通学にも便利な立地といえます。

富山市や高岡市に比べて地価は安めですが、生活利便性は高い水準にあります。

そのため、コストパフォーマンスを重視する世帯にとって魅力的なエリアといえるでしょう。

砺波市

砺波市は、散居村で知られる田園都市で、約4.8万人が暮らしています。

2025年地価調査による住宅地の平均価格は1㎡あたり32,700円、坪単価は約10.8万円です。変動率は0.0%と横ばいで、安定した地価を維持しています。

市内には閑静な住宅地が広がり、のどかな田園風景の中で暮らせるのが魅力です。

春には一面にチューリップが咲き誇り、観光地としても知られています。

また、北陸自動車道の砺波インターチェンジが近く、車での移動もスムーズです。

魚津市

魚津市は、富山湾に面した人口約3.8万人の沿岸都市です。

2025年地価調査による住宅地の平均価格は1㎡あたり31,900円、坪単価は約10.5万円。変動率は前年比マイナス1.2%で、やや下落傾向にあります。

漁業が盛んで新鮮な海の幸が手に入るほか、農業も盛んで地元産の食材が豊富です。

交通の便もよく、富山市までは車で約30分、あいの風とやま鉄道を利用すれば通勤も可能です。

氷見市

氷見市は、富山湾に面した人口約3.9万人の漁業の町です。

2025年地価調査による住宅地の平均価格は1㎡あたり22,200円、坪単価は約7.3万円です。変動率は前年比マイナス1.3%で、下落傾向にあります。

「食材の宝庫」として知られ、とくに寒ブリをはじめとする海産物が有名です。

北陸新幹線の新高岡駅まで約30分とアクセスもよく、首都圏への移動も比較的スムーズです。

県内でも地価が安いため、広い土地を手頃に確保できる点は大きな魅力といえるでしょう。

滑川市

滑川市は、富山湾に面した人口約3.2万人の田園都市です。

2025年地価調査による住宅地の平均価格は1㎡あたり20,600円、坪単価は約6.8万円。変動率は前年比マイナス0.9%で、下落傾向にあります。

市内は駅周辺に生活施設がコンパクトに集まり、小さな子どもを持つ家庭でも暮らしやすい環境です。

子育て支援も手厚く、医療費は18歳まで助成されるなど安心感があります。

また、富山市までは車で約20分、あいの風とやま鉄道を使えば通勤も可能です。

地価の安さと暮らしやすさを兼ね備えたエリアといえるでしょう。

富山県で注文住宅を建てる際に押さえておきたいポイント

富山県での家づくりでは、費用や立地だけでなく、気候に合った対策が欠かせません。

冬は豪雪、年間を通して湿度が高く、寒暖差も大きい地域だからです。

ここでは、富山県で注文住宅を建てる際に押さえておきたいポイントについて解説します。

湿気対策

富山県は年間を通して湿度が高く、夏は蒸し暑く、冬は日本海からの湿った空気によって結露やカビが発生しやすい地域です。

そのため、湿気対策は快適で健康的な住環境を保つために欠かせません。

基本となるのは、高気密・高断熱の住宅設計です。

室内外の温度差を小さくすることで結露の発生を防ぎ、住宅の劣化を抑えられます。

さらに、24時間換気システムを導入することで、湿気を効率よく排出しながら新鮮な空気を取り入れることが可能です。

加えて、珪藻土や無垢材など、自然素材の持つ調湿機能を活かすのも効果的です。

機械的な除湿だけに頼らず、素材の力で室内の湿度をバランスよく保つことで、一年を通して快適に過ごせる住まいを実現できます。

寒さ対策

富山県の冬は厳しく、山間部では氷点下まで気温が下がることも珍しくありません。 

年間を通してみると、夏の平均気温は約26.9℃、冬は約3.0℃と寒暖差が大きく、この差がヒートショックのリスクを高める要因となっています。

寒さ対策の基本は、断熱性能の強化です。

壁・床・天井に高性能な断熱材を施工し、室内の熱を外へ逃がさず外気の影響を遮断します。

富山県では、UA値0.46以下のZEH基準を満たす住宅が推奨されており、省エネかつ快適な住環境を実現できます。

とくに熱の出入りが大きい窓は、断熱の重要ポイントです。

単板ガラスでは効果が不十分なため、複層ガラスやトリプルガラス、さらに樹脂・木製サッシを採用することで断熱性が大幅に向上します。

加えて、床暖房や全館空調を導入すると、家全体をムラなく温めることができ、ヒートショックのリスクを軽減できます。

寒暖差の大きい富山県だからこそ、こうした対策で一年を通じて快適に過ごせる住まいづくりが大切です。

雪対策

富山県は全域が豪雪地帯に指定されており、内陸部の一部地域は特別豪雪地帯にも分類されています。

平野部でも数十cm、山間部では2mを超える積雪が見られるため「雪に強い家づくり」は欠かせません。

まず重要なのは屋根の設計です。

多くの住宅で採用されている「無落雪屋根」は、雪を屋根に留めて自然に融かす構造で、落雪事故や隣家への被害を防ぐことができます。

ただし、この構造では屋根に大きな荷重がかかるため、十分な耐荷重設計が必要です。

次に、車まわりの設備にも工夫が求められます。

耐雪型カーポートやビルトインガレージを設けることで、積雪によるトラブルを防ぎ、冬場の車の出し入れも快適になります。

ビルトインガレージは建築費が上がる一方で、雪かきの手間軽減や車の劣化防止といった大きなメリットがあります。

さらに、建物の構造にも雪への配慮が必要です。

富山県では積雪荷重を考慮し、一般的な柱(3.5寸)よりも太い「4寸(約12cm)」の柱を採用するケースもあります。

こうした工夫の積み重ねが、豪雪地帯でも安心して暮らせる強い住まいを実現します。

まとめ

富山県で注文住宅を建てる場合、土地付きで約4,000万〜4,800万円が目安です。予算は世帯年収の6〜8倍を目安にし、住宅ローンの返済負担は手取り収入の20〜25%以内に抑えると、無理のない計画が立てられます。

また、快適に暮らすためには、富山特有の湿気・寒さ・雪への対策が欠かせません。高気密・高断熱構造や計画換気、無落雪屋根、ビルトインガレージなどを取り入れることで、厳しい気候のなかでも安心・快適な住まいを実現できます。

株式会社アントールは、富山に根ざした家づくりの専門家です。冬の厳しい雪にも、夏の湿気にも負けない強さと、家族を包み込むような温もり。そのどちらも叶える住まいを、一棟一棟、心を込めて形にしています。

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